ほんもののダイヤ以上の人工ダイヤのようなもの。

朝日新聞、朝刊」2007.3.1付けより。
これは映画「ドリームガールズ」について音楽評論家の安倍寧氏が述べている部分にあったフレーズ。それは迫力ある黒人向けのリズムの楽曲を書いていたのは、実は白人だったからっだ。
「黒人の血ではなく白人の技が書かせた音楽なのだが、でき過ぎなほどよくできている。」それをタイトルにあげたように、“ほんもののダイヤ以上の人工ダイヤのようなもの”と表現していた。
私がこの映画を観たのはほんの数日前だとばかり思っていたら、もう10日以上も経っていた。観たのは上映初日の第一回目だった。この作品はブロードウェー・ミュージカルを映画化したものだった。内容を簡単に言ってしまえば、ダイアナ・ロスシュープリームスの売り出し秘話というものだ。きらびやかな世界の舞台裏の姿でもある。
映画のなかの迫力ある歌唱と演技で、先月末にジェニファー・ハドソンはアカデミー助演女優賞を受賞している。映画初出演での受賞で直後のインタビューでは感激と興奮で言葉に詰まっていたのを思い出す。
この映画のオーディションの参加者782名の中から審査員の満場一致で選ばれた歌唱力は本物だった。知名度では劣ったものの、共演したジェイミー・フォックスビヨンセ・ノウルズ、エディー・マーフィーという豪華なキャストたちと比べてもまったく引けをとっていなかった。むしろ映画の中ではストーリー展開からしても主役にさえ思えたほど。
こんなところも、ほんもののダイヤ以上のダイヤという表現が当てはまりそうだ・・・な。(知名度が高まったJ.ハドソンにはこれを機会に、これからもっと輝いてほしいもの。)

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普通の人は、必要に迫られない限り変化を求めないものだ。

「PRESIDENT」2007.3.5号より。
ビジネスのための創造力は、意外にほんのちょっとした思いつきがきっかけになっていることが多い。しかも、そんな小さなアイデアが積み重なって想像もできないほどのビッグビジネスや商品に生まれ変わることさえある。
例えば、自分の持っている楽曲、数百曲を全部まとめて携帯して聴けたらどうだろうと思った人がいる。一日に何百曲も聴いたりしない、という人のほうが多いかもしれない。しかし、そのイメージの一部を実現してiPodのような大ヒット製品は生れている。
同様に本屋に行かなくても、大まかな内容がわかって本が買えたら便利だと考えた人がいる。
それにさまざまなアイデアを加えてアマゾンのようなサイト(会社)が生れている。24時間いつでも注文でき、配達までしてくれる。しかも時には書店にないような本まで見つけることもできる。
さまざまなものは、使い始めた人がどんどん新たなヒントを与えてくれたりする。そして、次第により満足度の高いものに仕上げられていくのだろう。
はめはパソコンやケータイはなくてもそう不便は感じなかった・・・はずだが、一旦使い始めるともう離せなくなってしまう。教えてくれる人、勧めてくれる人がいてそのよさに気づくことも多いかも。本当にいいものは自分ひとりでは気づかないものだな〜〜

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眠れる思いつきを目覚めさせるには、ちょっとしたコツがある。
「PRESIDENT」2007.3.5号より。
この号の特集は「思いつく力」で“発想力とアタマの出来は関係ない”というサブタイトルがついていた。
数年前、「上司は思いつきでものを言う」(橋本治著)というのがベストセラーになっていたが、それはなんだか、部下にとっては迷惑なことを意味していたように思える。
しかし、個人にとって創造的はアイデアに発展できそうな思いつきはいくらあっても大歓迎だ。
さて、いったいどんなコツが考えられるだろうか。読んだ後ではな〜んだそんなことならもうとっくにやっている、と思うかもしれないが以下に簡単にまとめてみた。
1、いま自分がやっている仕事を見直して「何か変えられるとしたら、何があるだろう」また「競争相手が変えてくる可能性があるとしたらどこだろう」というレベルでいいのだ。
2、「もし〜だったら」の「〜」の部分をできるだけありえない状況にして考えてみるのもいいようだ。つまり、「これが当たり前」「これしかない」と思わないことも大切なようだ。
3、常に変化に注意深く気を配り、何の変化がないこと自体を意外に感じるようでなければ、創造に近づくことはできないようだ。そして、もし「おやっ」と思ったことがあれば、何かに結び付けて考えてみる。
「インターネットはすごい」→ならば「何に使えるか」、近所の店が閉店したら、自分ならそのスペースで何をやるかと想像してみるだけでも面白い。
4、ふだんから心がけたいことは、自分の担当分野以外の知識もある程度深く持っていることだ。単純な雑学程度では創造には結びつかないようだ。「なぜだろう」という好奇心強さはポイントのようだな。これも訓練しないと・・・