ヤンキースは、アメリカ人らしいユーモア精神を発揮・・・

「PRESIDENT」2007.1.15号より。
この前提には、レッドソックスが松坂との交渉に約60億3000万円をつぎ込んだことがある。つまり、、正確な金額は511万111ドル11セントであったことだ。ここでのポイントは500万ドルでも510万ドルでもなく511という数字だった。
これはかつて、レッドソックスに在籍した伝説的なメジャー最強の投手サイ・ヤング(1867年生)の通算勝利511勝にちなんだものだった。この偉大なピッチャーの名前は現在でも、そのシーズン最高の投手に与えられる「サイ・ヤング賞」として存在している。(日本で言えば沢村賞だろう)
つまり、511という数字は球団の松坂への期待の表れに他ならない。この松坂争奪戦で敗れたのは、ライバルのヤンキースだった。そして、井川に対して落札した額は約30億円と高額だった。これも正確には2,600万194ドルとなっている。その端数の194ドルとは、昨シーズン井川が奪った三振の数と一致している。
30億円という額は、外国人選手を除く阪神選手の年棒総額(29億円)に匹敵する。これは松坂への入札額35億4000万円がそっくりそのまま宙に浮いたからということもあるだろうが。
ヤンキースはこんなところで、松坂争奪戦に敗れた憂さを晴らしていたのだ。まあ、これだけ高額な入札を経て入団したからには井川には先発5人枠から外れて欲しくないもの。
それにしても、日本では契約金に数字でユーモアを示すなんてことはありえないだろうな。ユーモアはいろいろな面で余裕がないと・・・ですね。
(この記事には「R25」2007.1.26号も参考にしました。)

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文につける句点と読点(とうてん)。ひとまとまりの文の最後に句点を、また、文中に読みやすく正確な理解を助けるために読点をつける。現在は普通、句点に「。」、読点に「、」を用いる。

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「だから、それがどうということでもないのだけれど、でも、考えてみれば妙なことではないだろうか、と・・・・」
「軽いめまい」金井美恵子著より。
べつにこの小説の内容がどうのこうのというよりむしろ、センテンスの長さに驚きちょと気になったのだ。文にはふうつ句読点があるが、この文章には読点「、」は頻繁にあるものの句点「。」はなかな出てこない。
区切りが長いため読んでいるほうが“軽いめまい”を起こしそうな気もしてくる。読んでいてもどかしくなるほど、しかし内容は理解できる。タイトルにあげた部分からはじまるワンセンテンスは実に長い。単行本の199ページから最後の205ページまで7ページにわたっていた。
最後は「少し吐き気がして、電車の振動とは別の軽いめまいのように、目の前が微かに揺れる。」となっている。そのほかのページも一文が4,5ページに及んでいる。かつて、分かり易く読みやすい文章はセンテンスが適当な長さで区切られているものと教わった覚えがある。
しかし、文芸作品ともなると文体やリズムがその作家の特徴ともなっていることに気づく。長いセンテンスの中には会話の部分まで流れるように収まっていた。たとえば「・・・しかたなくつきあったんだけど、サテンで、あたしのこと好きか、なんて何度も訊くから、そんなこと、関係ねえーだろーって黙ってたら、・・・」という具合に。
ただし、どんなものも形だけ素人がまねてもダメな文章になってしまうに違いない。長年の修練の後に到達し世間的評価を受けたものだけが生き残れるのだろう・・・な。