笑いの中に感じる強さ(パワー)。

たまたま昨日、アントニオ猪木の意外だった言葉をフレーズとしてあげたら、ふと感じたことがあった・・・
かつて多くの野球少年たちが長嶋や王にあこがれて実力のある選手はプロ野球の世界に入ってきた。同様に、現役のプロレスラーの中には馬場や猪木にあこがれて格闘技のリングに上がっている選手も多いことだろう。
プロレス界では昭和50年代は新日本の猪木と全日本の馬場が頂点に立っていた。今でもリング上のまるで鬼のような形相の猪木の姿が目に浮かぶ。“燃える闘魂”とうキャッチフレーズがぴったりだった。パワフルでストロングスタイルの試合はファンを楽しませてくれたもの。
プロレスがまだゴールデンタイム(夜8時台)に放映されていたころだ。テレビ画面を通じて猪木の力強い姿が十分伝わってきた。(私自身、当時は会場に足を運んだりプロレス雑誌を読んだものだった。)
ところが、還暦を過ぎレスラーを引退してからも、彼の強烈なキャラクターでテレビCMやマスコミにもしばしば登場している。意外によくしゃべる人だ。バラエティー番組では大口を開けてゲラゲラと笑っている。
そこからはかつてリングの中で大技を繰り広げ死闘を繰り返した姿は想像できない。まるで別人のようでもある。ただ体のでかい、アゴのながい男としてしか見えない。しかし、いろいろな機会に呼ばれて笑いを振りまく姿にもある意味別の強さを感じている。
それは、私がかつて猪木と一緒に試合をやってきた同年代や後輩のレスラーたち(数人)を街で見かけているからだった。リングを離れた彼らはその後テレビやマスコミの話題にのぼることはない。また何より老け込んでしまっていて、外見からみても体のどこかが悪いことがうかがえる。体が大きいだけに痛々しい。
それに引きかえ、テレビに出演し笑顔を振り舞いている猪木にはやはり強靭さを感じた次第。(実際には体のあちこちを痛めているはずだが)

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何ごとも“芸”がないと、人の意識はつかめない。

藤原和博さんが、ある店で働く若い社員の悩みに答えていた。彼の相談は次のようなものだった。「その店では店長以外は正社員は自分一人だけであとはバイトばかり。しかし、経験が浅くてうまくまとめられない。」という。
たしかに、人の心をつかむのはそう簡単ではない。藤原さんは人の意識をつかむには芸があるかないかが、大事なことでもあると述べている。それは言葉を変えれば特技とも言ってよさそうだ。
もし、そんなものが無いなら、誰よりも猛烈に働くことを勧めている。つまり、「一番働いている」こと自体が芸だともいう。自分ひとりで掃除する。しかもおどろくほど、キレイにしてしまうとか。
この応用はかなりある。机の上や仕事のスペースが常にきれいに整理整頓されている。事務用品、ファイルがサッと取り出せるようになっている。コピーについては熟知していて誰よりもスピーディーにきれいにできる。会社周辺の地理に詳しい。取引先の名前や電話番号を大量に覚えている。外国語や計算能力が人よりかなり優れている・・・。
また仕事とは関係ないが、カラオケが抜群にうまいとか海外を自力で2年間一人旅をしてきたというならすごいかもしれない。結局今のままの自分で勝負できないと思ったら、何かで自分を磨く、またはその場に留まって一番働くしかないようだ。(若いうちっていろいろ可能性があっていいな〜)

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誰にでもなりやすいのが「嫌われたくない症候群」というやつ。

これも藤原和博さんが相談された悩みに答えていた。悩みは「新人に嫌われずに注意したいが、うまくいかない。強く注意したいができない。」というものだった。

所詮、一生嫌われないで生きていくこと自体が無理なことなのだ。藤原氏は次のように言っている。「9割の人に嫌われても結構。そのかわり1割の人をクリエイティブに10倍楽しませたいもの」と。
もし深い交流をしようと思えば、100のエネルギーを100人に分散するよりも、10人に注いだほうが効率はいい。わずかな人でも徹底的に感動を与えることがでくきるなら、その他の人に嫌われてもそれほど気にはならない筈というようなことも述べている。
これは、スキマビジネスにも似ていそうだ。オタクといわれるマニアックな世界で商売が成り立っているのは、その趣味の人たちに十分な満足感を与えているからだ。しかし、大多数には全く関心がないことでもある。
趣味の世界では、よくそんなもので大きな商売ができているなと思えるものが多い。私の知り合いにもある高級玩具を取り扱っている男がいる。それでも客筋がしっかりしているせいか、かなりの商売になっている。並みのサラリーマン以上の収入があるらしい。
話しがかなりずれてしまったが、大多数にとっては関心が無いこともごく一部の人に十分な満足を与えられれば、優雅に暮らせるものだな〜・・・。いずれにしても好きを仕事にして、かつそれなりの能力が必要そうだな。