「『ブ然』を態度で示して下さい」と簡単なクイズを出題した。

「相鉄瓦版」平成19年1・2月合併号より。
これは文学博士の北原保雄さんがあるテレビ番組の中で出題したものだった。すると出演していた回答者はそれぞれ、腕組みをしたり、ほおを膨らませたりと、いずれも怒ったような態度をとったという。
しかし、全員が不正解だったのだ。「ブ然」を漢字で書けば「憮然」となり、「心+無」で、「心が無い」「心を失っている」状態をさしている。これを態度で表すなら肩を落としてガックリとしている様子をとれば正解だったのだ。
実際、手元の辞書で調べてみた。すると間違いなく「がっかりした様子。失望した様子」と出ていた。この質問は結果的には簡単そうでもそうではなかったことがわかる。知らず知らずのうちに間違った意味で使ってしまっていることばも多そうだ。
これを書きながら思い出したのは「鳥肌が立つ」だった。この本来の意味は次のようなものだ。「寒さや恐怖のため、ひふが毛をむしった鳥のはだのようにぶつぶつになること。」
しかし、実際はむしろものを見たり体験して感動したような時に使われている。「エキサイティングな試合で鳥肌が立った。」「あまりにも美味しくて鳥肌が立った」などのように。
しかし、ほんとうに肌がそのような状態になったのであれば、あながし間違いだとも言い切れそうもない・・・かな。(私自身はは寒い時にしか鳥肌が立った経験はないが)