生きた経験や費やした時間がワインのように人を熟成させ・・・

朝日新聞朝刊」2007.1.6付けより。
オピニオンというコーナーで増田明美さんが述べてたフレーズ。この部分だけ取り出してみるとまるで人生論を語る文学的な表現のように思えた。なんだかちょっと意外な気がした。
この前後は次のようになっている。「駅伝やマラソンといった競技では、生きた経験や費やした時間がワインのように人を熟成させ、長い距離を走りきる力となる。」やはり実際にマラソンをやってきた人の言葉には味がある。
この部分は、昨年の12月中旬に行われた女子駅伝日本一を決める全日本実業団女子駅伝について増田さんが感じたことだった。トップから遅れること10秒でタスキを受けたアンカーの弘山晴美さん(38歳)はその先を行く大崎千聖さん(19歳)の競い合いをしていたのだ。
そして、増田さんはテレビ中継の解説をしながら早い段階で弘山さんの勝利を確信したという。それは弘山さんの表情や積み重ねてきた時間の長さを感じていたからだった。それで、上記のようなフレーズになったのだ。
増田さんのコラムを読んで、いくつかへ〜っと思うことがあった。その一つは「世界のトップランナーのほとんどは妻として、母としての家庭の顔を併せ持つ。」という部分だった。
たとえば、女子マラソン世界記録保持者のラドクリフさん(英)は1月に出産予定で、今夏の大阪世界陸上への参加を目指している。アテネ五輪銀メダリストのネデレバさん(ケニア)は9歳の娘を持つ母でもある。日本では弘山さん、土佐礼子さん、大島めぐみさんらは結婚してさらに強くなっているという。
それから、もう一つへ〜っと思ったのはスポーツライターだけかと思っていた増田さん自身の肩書きが、なんと大阪芸術大学教授となっていたことだった!(知らなかった)