「前例がないからこそ試す価値がある」

「だいじょうぶ!必ず流れは変わる」樋口廣太郎著より。
まるで、昨日取り上げたフレーズとほぼ似たような言葉に出くわしたのでちょっと気になった。こう述べているのは樋口廣太郎氏だった。すでにご存知の方も多いことだろうが、住友銀行からアサヒビールの社長に転進しスーパードライで会社を大躍進させた人物だ。
樋口氏が移ったのはアサヒビールどん底の頃だった。1985年当時のシェアーは業界トップのキリンが61.4%でアサヒは9.6%だった。6倍以上の開きがあった。その逆境のなかで腕をふるってついに2001年にはシェアーを逆転している。アサヒは38.2%、キリンは第二位で35.8%だった。48年ぶりのトップだった。
当然従来の方法のままではこれほどの躍進はありえない。現状を打破するため今までと同じような、(過去を踏襲するような)やり方をとらなかったことがあげられる。つまり、その根本は前例にとらわれた考え方を捨てることだったのだ。
逆に前例こそがつまずきの元凶ともなりえるということもありえる。逆境をチャンスに変えるという樋口氏の発想が実現できたからこその大躍進だったのだろう。
当然いろいろな問題の中にはメリットやデメリットがあった。しかし、そのデメリットがあるからやらない、のではなくそれを直してやってみる価値がある、と考えるとそれはプラス思考になるようだ。
新しいものを生み出すには、非常識を常識に変えるぐらいのパワーとエネルギーが必要だとも述べている。やはり大きい仕事を成し遂げる人は志やパワーが違うと感じさせる。