前例がないからおもしろい。

「日経夕刊」2007.1.4付けより。
“人間発見”というコーナーで萩本欽一さんが言っていたこと。コメディアンが本業でもあるが、現在は社会人野球チーム「茨城ゴールデンゴールズ」の監督としても、野球界に新風を吹き込んでいる。
彼のグラウンド内外でのパーフォーマンスは欽ちゃんだからこそできるといわれるものかもしれない。たとえば、アマチュアの野球では入場料をとっちゃダメと聞くと、じゃあ「応援金」にしますと、自分たちで新しいルールを作ってしまう。
また、グラウンドでマイクを持って走り回ることもしてきた。それらは欽ちゃんがテレビ育ちだからこそ考えられたことだった。テレビでは「ダメです」といった端から「でもダメでもともとだからやってみましょう」となるようだ。
そして、やってみた結果、何が問題なのかが見えてくる。その部分を直していけばいいということになる。最初から尻込みすることはないのだ。そのような試みはお客さんに楽しんでもらうにはどうしたらいいのか、ということが根本にあるからだろう。
もう一つのポイントは彼は自分の年齢も関係があると考えている。それは50歳くらいではダメ出しをされるであろうことも、65才にもなると周囲も大目に見てくれるようになるからだという。若さがすべて、というわけもないことがわかる。
欽ちゃんのチームの試合には一試合平均でも8千人もの観客が集まるという。やはり彼のタレント性が生かされているからに違いない。持ち前のサービス精神で、今後とも元気のない野球をもっと面白くしてもらいたいもの。