自分の特色を仕事の場面で使いこなせるか・・・

「天才の読み方」斉藤孝著より。
ここではシャネルについて書かれていたが、ちょっと意外だったのは彼女は幼い頃に母親が亡くなり、父親にも捨てられていたことだ。あれだけの世界的なブランドを作り上げた人だから、さぞかし裕福な恵まれた家庭に育ったかと思っていたが。
自分で選んだわけでもないのに、孤児院の修道院で育っている。そして、その修道院の生活で得たシンプルな生活の価値観を逆に武器にしていたのだ。多くの人は修道院の生活など知らない。世間ではそのことが希少価値になっている。
シャネルのファッションには黒、ベージュ、白というようなシンプルな色使いが多い。これは彼女の育った環境から生まれたものだったのだ。
そういえば、私も春、秋のシャネルコレクションショーは何度か見学したことがある。(もちろん仕事でだが)会場の派手は大音響のなかでモデル達が身につけているファッションは、それほどきらびやかな色彩を放っているわけでもなかった。
むしろ単純化された色使いの印象が強い。実際シャネルブティックでもバッグ、財布などの小物から衣料品までそれほどカラフルというわけでもない。またそこの販売員のユニフォームも黒が多い。(黒や白は強い色でもある)
シャネルは育った環境からつくられた感覚を技としていたようだ。そう考えると、かつて演歌でヒット曲を連発していた千昌夫吉幾三なども地方独特のなまりや方言を歌やセリフにこめて特徴を出していたっけ。それも技の一つでもあったわけだ。
話はややそれてしまったが、ポイントは自分だけの世界に入り込んでしまわず、常に自分を客観視する、ということを忘れてはならないのだろう。自分の特色を打ち出して世間に通用するなら最高の仕事ともいえそうだ・・・な。