同じ待ち時間の負担感は時と場合によって異なる・・・

「おまけより割引してほしい」徳田賢二著より。
当たり前のことだが、感覚的に楽しい時間はあっという間に過ぎてしまう。逆に辛い、苦しい時間はなかなか進んでいかない。
テーマパークの人気アトラクションでは、90分、120分待ちなどざらにある。しかし、どうしても入場したいと思えば、だらだらと待って我慢するしかない。USJやディズニーリゾートではどれだけ無駄な待ち時間を過ごしたことだろう。しかし、パーク内の雰囲気の中にいるということだけが救いだったかも。
話は変わって、仕事場の近くに昼時になると連日行列のできるラーメン屋がある。待ってでも食べたいという気持ちが強いのだろう。かつて私も何度か行ったことはあるが、その味はもうすっかり忘れている。もう、5分でも外で待ってまで食べる気にはならない。
人を待たせられるというのは商品力の強さの証拠でもあるだろう。今流行りのゲーム機器なども待っても年内には手に入る可能性も少ないという。一般的には、安いものを買うときには待ち時間をなるべく短くしたいと思う。たとえば、コンビニ、100円ショップ、回転寿司、駅の売店、その他のファーストフード店では当然のことだろう。
しかし、百貨店や専門店で高級品や高額品を買う場合は、待ち時間、探す時間はそれほど気にしないもの。また逆に時間を気にしながらではショッピングは楽しめない。
で、仕事はどうだろう。これはできるだけ楽しくやって短く感じたいものだが。“えっ、もうこんな時間?”などと感じられればしめたもの。理想は遊び感覚かな。
また人と待ち合わせをして、首が長くなるほど待たされても、その後の笑顔や楽しい会話、またイベントなどがあればそれまでのことはすっかり忘れてしまう・・・なんてこともあったり。


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11番目のアイデアが真のアイデアと肝に銘じている。

日経新聞、夕刊」2006.12.18付けより。
“こころの玉手箱”というコーナーで福田繁雄氏(グラフィックデザイナー)が語っていたこと。氏は1972年、ワルシャワ国際ポスタービエンナーレで金賞を受賞していた。ここではそのときのことを振り返っていた。
ポスターなどはまず、アイデアの良し悪しが勝負といっていいだろう。このコンクールへの出品要請を受けて、氏は図書館に通い、古書店めぐりなどをして、ビジュアル資料を収集したのだった。それはアトリエの作業机いっぱいになったほどだったという。
それらをもとに、アイデアスケッチを重ねたが、「これだ!!」と決め手になるほどのアイデアはなく不満だったようだ。そして、数日後無造作に広げた写真の一枚からヒントを得ている。結果的にはその作品で最高賞を受賞している。さらに数週間後、入賞作品を収録したカタログが送られてきたとき、福田氏は驚いている。
それは、そこにあった入賞作品の多くは福田氏自身が考えたアイデアと同じようなものばかりだったからだ。そのことから、自分がそれまで考えた10のアイデアは誰でも思いつくと痛感したようだ。つまり自分ではある程度いけると思ったアイデアも意外にほかの人も考えるありふれたものだと確認できたからだ。
だからこそ、真のアイデアはさらに最後の一ひねりがなければ注目されないということか。(つまりそれが11番目という意味かも)私などありふれた一つのアイデアを思いついただけでも有頂天になってしまう・・・・(いかんな)