樹齢80年を超すと葉縁は丸くなる不思議さがある。

産経新聞」2006.12.21付けより。
コラムにあったフレーズ。この木はヒイラギのことだった。漢字では一字で「柊」と書かれ、まるで冬の木の代表のようにも思える。この樹木の特徴はのこぎりの歯のようなギザギザの葉っぱだろう。
しかも、樹齢も80年にも達するとその鋭い棘も失せてしまうようだ。私はまだそんな棘のない柊にお目にかかったことはない。初夏の新緑の頃には黄緑色の小さな葉はまるで赤ん坊の手のように柔らかい。
しかし、それも秋になれば硬く鋭い棘を持つようになる。素手で触れるとケガをしてしまうほど。そういえば、ライオンやワニにしても生まれたばかりの頃は可愛いが、成長するにしたがって野生のどう猛な動物になってしまう。
人間は若い頃には角があったりするものだが、社会の荒波にもまれて次第に丸くなるとはよく言われる。柊のトゲがなくなるのも長い年月がかかっていることから、そんなことを連想してしまった。
いま自宅の庭の片隅には西洋ヒイラギの赤い実がぎっしりと実っている。緑の葉と赤い実はしっかりとクリスマスをイメージさせてくれる。しかし、これは先ほどのヒイラギとは全く別の種類だ。
蛇足
ご参考までに・・・
ヒイラギについては「雑かわら版」(ホームページ)の第51号、セイヨウシイラギについては第99号に書いてました。雑文ですが、お暇な方だけちょっとだけ覗いてみてください。