知識は世界を豊かに見る一つのコツ・・・

「天才の読み方」斉藤孝著より。
宮沢賢治の創作上の技の一つには、知識をポジティブにとらえていたことがあげられる。水、火、鉱物、宇宙、星、空、植物などあらゆる森羅万象についての科学知識について非常に貪欲に吸収していたようだ。
それが童話や詩の魅力ともなっていたのだ。一般的には知識より経験のほうが大事だといわれたりするが、知識という裏づけがあればこそなお一層作品にも説得力が出てくるのだろう。
たとえば、とても感動するような景色を目にしたとしてもただすごい、と感じるだけでなかったのだ。もし科学的な知識があればほかの人が気づかないことまで感じることができるかもしれない。
つまり、賢治の描く世界は漠然としたり、単にファンタジックなだけの世界ではなかったのだ。やはりきちんと勉強して知識を身につけた成果でもあったようだ。
知識があればこそ感性もまた鋭くなるということだったか・・・(賢治の場合は)