人それぞれに運動によって自分にフィットしたものがあります。

「天才の読み方」斉藤孝著より。
ここでは宮沢賢治の例があった。彼はもともと運動量も少なくて、顔も青白く体が弱かったらしい。しかし、山に登るとなると、非常な速さで登ることができたという。
岩手山という2000メートルクラスの山に何十回も登っている。それも他の人をしり目にグングンと登っていくので「なぜ、あの運動神経のよくない賢治がそんなに元気に登っていくのか」とみんなが不思議に思うほどだったようだ。
「歩く」ことは別に鋭い運動神経を必要としない。だから誰でもできることだが、それをずっと続けていくことはそう簡単ではない。賢治はそのことで、ほかの誰よりも勝っていたのだ。
一般に学校の体育の授業でする運動はごく限られたものだけになっている。その枠の中だけでは運動能力の全てはわからないだろう。その人だけにあった運動はそれ以外のところにもあるかもしれない。
たとえば、いくら筋力が強くても走って早いとは限らない。レスリングが強くても柔道が強いとも言えない。同じ球技でもテニスでは一流になれても卓球でなれるわけではない。ゴルフのセンスがなくてもテニスでは一流はあり得る。素手でやる空手は強くても防具をつけた剣道ではまったく上達できない選手もいるだろう。
まあ、こんなことをあげたら切りがない。そう考えれば、まだまだ知らない運動競技はかなり多に違いない。運動神経が鈍いと思っている人も、本当に自分に向いているスポーツに出会ってない(試してない)可能性も・・・ありえそうだな。