(ピカソは)なぜ二十世紀最大の芸術家なのか。

「天才の読み方」斉藤孝著より。
日本人で、ピカソの名前を知らない人は稀だろう。しかし、何がいったいそんなにすごいのだろうか。そう思ったらここにはその具体的な話しがあった。
最大だと言われるその1つは、新しい美術のスタイル(様式)を次々とつくり上げていったということだった。そして、彼の生み出すスタイルが時代に大きな影響を与えていたのだった。
芸術家の中には、死後かなりの年数がたってから評価される人も多かった。しかし、ピカソの場合はかなり若いうちから評価され、30歳前後までに作品がかなり売れて裕福だったようだ。
最大と言われる2つ目の理由は、作品数が想像を絶するほどだったからだ。その作品数は6万点とも8万点とも言われている。創作期間が10歳から91歳までだとすると、平均でも一日2〜3点の創作ペースになるらしい。
また、創作の幅も広く、絵画のほかに、彫刻、コラージュ作品、版画、陶器、舞台装置、舞台衣装、詩までつくっていた。だからこそ、他の芸術家を圧倒する存在だったのだ。こんなことからも、常識をはるかに超えていることもわかる。
つまり、その根本には驚くほどのエネルギーがあったことがうかがえる。だからこそ生涯で4度も結婚したのかもしれない。すべての点で桁外れの芸術家だったようだ。
また、ちょっと離れた視点からみれば、作品が次々売れたのは、いったん超一流として名が知れ渡ったからからだとも思えるが。どんな作品でも“ピカソブランドの作品なら”という信用で買う人が多かったのではないだろうか・・・?