人間どんな聖人君子でもポーズなしには生きられない。

「現代不作法読本」高橋義孝著より。
まあ、聖人君子とまでいかなくても紳士、淑女でも同じことだと思えるが。ここでのポーズとは、“ある程度の格好をつける”、とか少なくとも“みっともなくないこと”と言う程度の意味合いがあるだろう。
べつにわざわざポーズなどつけなくても、生きられるはず。しかし、それでは周囲の人をマナー違反で不愉快にしてしまう可能性も高い。私たちは、無意識のうちに意外なクセを繰り返していたりするものだから。
たとえば、食事中に音を立てて食べたり、器の持ち方や箸の置き方にもクセがあったりする。まあそんなもの、数え上げればきりがないが。それが人から見て時には不作法に見えることもあるだろう。
よく人の振り見て我が振り直せ、と言われるが人のクセは見えやすいもの。だからそれらを反面教師とできればいいのかもしれない。この本の初版発行は昭和33年だった。もう48年も前に書かれているが、その生きるためのポーズは今でも十分通じそうだ。
人前ではそんなことしないほうがいいんじゃないの、というような筆者の体験が満載だった。もし、この本のタイトルが『現代礼儀作法入門』になっていたら、きっと買う気にはならなかったろう・・・な。