こころのマッサージでもある大切な時間・・・

先日、都内のあるデパートで開催されていた「八代亜紀絵画展」で手にしたパンフにあったあいさつ文より。
八代さんにとっては“ひとり静かにキャンバスに向かう時間”こそがこころのマッサージでもあるようだ。つまり、言葉を変えれば描くことで気持ちが癒されるという意味だろう。
いろいろな雑事や雑念を取り払って集中できる趣味があることは非常に幸せなことでもあるに違いない。べつに高尚な趣味である必要はない。こころのマッサージをするものは人それぞれ異なっている。
音楽にじっくり耳を傾ける、テレビのドラマやお笑いを楽しむ時。スポーツで汗を流す時、また一日の終わりに日記(ブログ)を書いている時、ゲームに興じている時。時には家族団らんのひと時かもしれない。そんな時間を持てたらきっと疲れきったこころも癒されるかもしれない。
八代さんの絵画は本職の演歌と同様本格的なものだ。フランスで開催されるル・サロン展では5年連続で入選を果たし、永久会員にもなっているほど。画家としてはほとんど毎年のように全国で個展を開催している。
さて、その日私が会場で「花の季節の想い出」と題する30号の作品の前で立ち止まって眺めていると、そばに八代さんがすっと寄ってこられた。その作品のバックは明るいブルーで統一されていた。そして前面にはさまざまな静物が配されていて、中央の部分は濃紺の四角で囲まれそこには桜の花びらが無数に描かれていた。
私にはその部分が着物に描かれた桜に見えたので、「これは着物の絵柄ですか」と質問すると「いいえ、桜を描いたのです」という答えが返ってきた。私は「そこに着物が掛かっているかと思いました」と言うと「いいえ違います」と言われてしまった。
後から考えれば、私はいきなり質問してして申し訳なかったかな、と思った次第。はじめはちゃんと絵をほめてからにすればよかった・・・かも。(しかし、私のつまらない問いにも笑顔を絶やさなかったのはさすがプロ)