「紙の辞書」が、生き残りを模索している。

産経新聞」2006.11.10付けより。
デジタル化の波は辞書にまで及んできてている。ほんの10年前前までは辞書と言えば紙の分厚い辞書が当たり前だった。ところが、パソコンが普及したり電子辞書が当たり前になってくると、それにつれて目の前からかつてなじんだ辞書は姿を消しつつあるようだ。
電子辞書の市場は、カシオ計算機の推計では14年度が300万台で、15年度は330万に拡大しているようだ。
一方、「紙の辞書」は三省堂の推計では、この10年間で1200万部から650万部に減少しているらしい。そのため各出版社は危機感を持っているようだ。最近の自分のことを振り返ってみても、たまに引くものの、ほとんど自宅の辞書はホコリをかぶっている状態。
同じ言葉を調べるにしても、紙の辞書なら“引く”というが、ネット上の辞書を使う場合には“検索”となってくる。これもちょっと面白い変化だろう。実際パソコンを使用している際にはウェブで調べたほうが手っ取り早いもの。
しかし、電源を入れてなければ、手元の辞書を引くほうが早かったりもする。文字を覚えるならやはり紙の辞書かもしれない。関係ないかもしれないが、英語の辞書などよく使って手垢のついた辞書のほう手になじんで引きやすかったもの。こんなところにもアナログのよさがあるのかも。
それから、使うほど愛着がわいてきたのも紙の辞書だった。電子辞書にもそんな感覚はあるのだろうか。今後とも紙の辞書はなくなることはないとは思うが、年々減少するのは時代の趨勢かもしれない・・・な。