自由の目、道化の目・・・

日経新聞」2006.10.25付けより。
これは小田島雄志さんの言っていた言葉だ。先月新聞で目にしたら何故か気になっていた。小田島さんといえばシェークスピア戯曲の全訳を手がけている英文学者だ。
現代は大人も子供もストレスに悩んでいる人が多い。そんな時こそ一歩引いてものごとを見ることも必要なようだ。つまり、心の余裕を持つべきだというのが、小田島さんの意見だった。
一例があった。彼の息子が急須をひっくり返したとき、小田島さんは万事キュースと笑わせたのだ。怒られるかと思った息子は救われた思いだったようだ。後にキュース(九死)に一生を得たと述懐しているようだ。
このように、道化の目を意識すると自然とダジャレになってしまうこともある。しばしば若者がキレたりするのは、心に余裕がないからでもあるだろう。
オマケにもうひとつ触れておこう。ケンカっ早いある役者が、制作者と飲んでいたとき。彼(製作者)がママに「ハシくれよ」といった時、「なんだその言い方は!」とからんできたという。そのとき「お前も役者のハシクレだろ」というと、それで引っ込んだという。ダジャレの効能かもしれない。
ダジャレが言えたら過剰な熱も冷やすことが出来そうだ。こんなことが、自由の目、道化の目と言っているようだ。もっとも私などが言うと、時にはサム〜ィと言われそうだが・・・。