「あの人は悪くない。会社が悪いんだ」と営業マンをかばったお年寄り

「ゴールド熟年マーケット」日下公人著より。
もうこれだけで、勘のいい人はあの「金」の詐欺商法で高齢者から多額のお金を集めた豊田商事の事件を思い出すでしょう。実際は悪い事をしていながら、事件後このように思われているのは不思議な気もした。
つまり、営業マンはお年寄りの話にとことんつき合って聞き役に徹したということもその背景にはあるようだ。ということは、それまでお年寄りの話に耳を傾けていなかった、話し相手になる人もいなかったとも言える。
そんなところが悪辣営業マンのつけ入るスキだったのだろう。高齢者をマーケットとして考えた場合、そこにある不平不満のなかにこそ、宝の山が眠っているかもしれない。もちろん望むものを的確に掘り起こし、受け入れられればビジネスにつながるのだろう。
ここまで書いてきたら、なにかにすがりたい気持ちは若者にもあることにも思い当たった。もう10年以上の歳月が経過しているが、あのオウム真理教の事件では多くの若くて優秀な頭脳が洗脳されていた。そして、覚める事もなく大犯罪を犯していたのだ。
そのほか新興宗教まがいで洗脳され知らず知らずのうちに女性信者が事件に巻き込まれるケースが何度かあった。そんな時でさえ、その犯罪者をかばう信者がいたりしたものだ。
これらも豊田商事の事件となにか共通している感じがするが。きっちり相手の話を聞き丁寧に対応する。熟年相手に成功するビジネスも紙一重・・・かな。