知らぬ間に無難な道を選択してはいまいか。

日経新聞、夕刊」2006.10.4付けより。
“こころの玉手箱”というコーナーで建築家の安藤忠雄氏が述べていたこと。氏が1978年に設計した家屋がある賞の候補になったものの受賞はしなかった。
その時審査した大建築家の感想は次のようのものだった。“この家の設計は悪くはないが、任せた施主がえらい。賞をあげるなら施主にあげたい。”と。
安藤氏はそれまでは自分の思いを優先し、施主の希望は無視してきていた。しかし、それ以来、30%くらいは施主の要望も聞き入れてきたという。しかし、年齢のためか、最近になってから、再びかつてのように自分の思うように設計したくなってきたようだ。
そして、“無難にしていては心を動かす仕事はできない”と感じている。事務所が大きくなるにつれ、知らぬ間に無難な道を選択してしまう自分への戒めのようにも聞こえる。
私たちの日々も知らぬ間にマンネリの道を歩いているかもしれない。そこにはほとんど進歩もないに違いない。ルーティーンワークのなかには感動も感じられないだろう。
安藤氏が言う心を動かす仕事とは、人に感動を与えることとも言えそうだな。無難な道を選択してしまうこと・・・彼はそれを恐れているという。常にチャレンジ精神を持つことはいい仕事をしていくためには必要なのかな・・・