消費者が広告を「うのみ」にしないという傾向は確実に強まっている。

「PR会社の時代」矢島尚著より。
ではいったい、主に何を信じるかといえば、むしろPRということになる。ところが、このPRと広告はしばしば混同しやすいものだ。それは例えば、就職時の「自己PR」というような言葉が使われるため、PR=アピールと勘違いしているからだ。PRは正確には宣伝や広告ではない。
ここに簡単な説明があったので、記しておこう。英語で言えば広告はアドバタイジング、PRはパブリック・リレイションズとなる。
広告は新聞、雑誌、テレビ、ラジオのスペースや時間を買い取り、その中で自社の宣伝をすること。一方、PRは、新製品の情報や企業における業績など経営情報、人事、海外戦略、M&Aなどをニュースとして、マスコミに取り上げてもらうように働きかけをすること、となっている。
つまり、情報に客観性があるかどうかがポイントともなっている。あるラーメン店の店主が「うちのラーメンはおいしいよ」というのと、テレビのレポーターが「ここのラーメンはおいしい」というのでは、受け手の印象はまったく異なってくるもの。
ある食品が健康にいい、と新聞やテレビ番組の特集で取り上げられれば、単にCMで見るより購買意欲をそそるもの。企業の広告よりむしろ、テレビ番組の中などで取り上げられた情報のほうを私たちは信じやすいのは確かだな・・・