なぜヒットを生む人はデータの異常値に目を向けるのか。

「PRESIDENT」2006.8.14付けより。
データというものは、だいたいが過去の実績や記録だろう。それを分析することで今後の対策や方針を立てる参考にしたりする。また、その調査データをもとにアイデアを考え出すこともあるだろう。
しかし、そのデータはすべてを語るわけではない。ここでは次のような指摘があった。「概してデータ分析の専門家は統計処理しづらい特異点や異常値のデータは外してしまうことが多い」
つまり、データには盲点もあったりするのだ。そんなところにも意外なアイデアが潜んでいたりする。ここに面白い実例があった。アメリカの話だが、それはゴキブリ殺虫剤についてで、週に一缶まるまる使い切ってしまう老婦人がいたのだ。
この人は、ゴキブリを見つけると1分も2分も殺虫剤をかけ続けたのだ。というのも、死ぬとはわかっていても、動いているのがイヤだったという。(実際は15秒くらいかければ必ず死ぬのだが。)確かに動きが止まらないうちは落ち着かないもの。
そこで、そこに気がついたメーカーは麻痺剤を入れた殺虫剤を開発したのだ。ゴキブリが死ぬまでの時間は変わらないが、5〜10秒で動きは完全に止まるものだった。この新製品は爆発的にヒットしたという。
従来は、殺虫剤をかけたら死ぬまで待つしかないと我慢していた消費者の隠れたニーズに気がついたのだ。ユニークなアイデアはほんのちょっとした気づきから生まれるものなだな〜。しかもそれは従来のデータには載ってこないことだったりして・・・