本当の自分ができないことを仕事で実現することだってできる。

朝日新聞」2006.8.27付けより。
“仕事力”というコーナーで香山リカさんが述べている言葉。この人は何年も前から、新聞、雑誌、テレビ、本とマスコミへの露出度が高い。本業は大学の先生だから、“タレント”教授になるのだろうが、それは本来の“才能”があるからとも思われる。
とは言っても、始めから望んでこの道を目指したわけでもないらしい。しぶしぶ医学部に入ってしまい、いやいやながら精神科医になってしまったという。人生の岐路に立つたびに、本意じゃないが選択して自分の仕事をしてきたらしい。
人によっては自分が望んだ道を真っすぐに突き進んで掴み取る人もいるかもしれないが、彼女の場合は消去法で、今は最も居心地がいい場所にたどりついていると結論づけている。いい人生といえそうだ。また、自分たちだって社会に出て数十年たったら、そうとも考えなければつらいのではないだろうか。
さて、タイトルのフレーズだが、仕事は自己実現ではあってもそれはひとつの大切な仮面でも思っているという。本当の自分ではできなくても、仕事となれば可能になるという意味だ。
一例があった。彼女の医者仲間ででも、個人的にコミュニケーションすることが苦手ではあっても、白衣を着て患者さんに向き合うと優しく根気よく話しに耳を傾けることができるという。人見知りでも仕事となればそうとばかりは言ってられない。
これは白衣という外的なもので心のスイッチをうまく切り替えられた例だろう。そういえば、私の高校時代や大学の先生も教室ではいつもネクタイに背広を着ていたが、それは仕事中であることを自覚するためだといっていたことを思い出した。
考え方は人それぞれだろうが、仕事という意識で望めば個人でするよりより大きなことを成し遂げることもできる可能性もあるだろう。(使える経費だって大きいかも。人脈だって貴重な財産・・・)