初心者もマニアも同じように楽しめる空間・・・

NHK知るを楽しむ 私のこだわり人物伝」2006.8-9月号より。
先日ぶらっと立ち寄った書店でNHKのテキストコーナーでちょっと変わった一冊を目にして衝動買いをしてしまった。表紙にはジャイアント馬場が正面を向いている写真があった。
この人物にこだわっていたのは香山リカさん(精神科医、大学教授)だった。彼女は子どもの頃からのプロレス観戦が趣味だという。しかも熱烈なジャイアント馬場ファンだったようだ。この一冊のなかには時代背景から現在のプロレスについてまで、自分の経験を通しながら掘り下げている。本当のファンでなければそこまでは書けないだろう。
私もかつてはプロレスファンだったが、馬場が率いる全日本プロレスより、むしろ猪木の新日本プロレスを好んで観戦していたな。昭和50年代には会場までよく足を運んだもの。
プロレスに対してしばしば、あれはインチキだ、八百長だ、ショーだなどということを耳にするが、そんなことはどうでもいい。とにかく単純に頭を使わずに楽しめるのがいい。地元で全日本プロレスが開催された際には出かけたが、控え室を覗くとそこには馬場が椅子に座って葉巻をくわえていた姿を思い出す。
エンターテイメントとしてみれば、初心者もマニアも関係なく同様に楽しめる。先の“亀田対ランダエタ”のボクシング世界戦の試合結果が問題になったようなことは、プロレスの判定結果では起こらない。始めから反則が認められているというのも面白い。
あのゴールデンタイムにプロレスが放映されていた頃は、自分にとっての古きよき昭和の一コマでもあったな・・・