ポップパワーと呼ぶべき一種のエネルギーは、国としてのブランドを形

「日本のポップパワー」中村伊知哉・小野打恵編著より。
このエネルギーを実感できるのは、その業界に携わっている人たちだろう。正直言ってマニアでもオタクでもない私などには、それほどすごいパワーがあるとは意外なことでもあった。
この本の中で述べられていたことをいくつか取り上げながら、そのパワーを感じてみたい。ここでいうポップ(カルチャー)とは、マンガ、アニメ、ビデオゲームなどのことだ。
日本のアニメやゲームは世界のこどもの人気を博しているようだ。経済産業省によると、世界のテレビアニメの60%が日本製だという。ヨーロッパではそれが80%にものぼっている。
アメリカでの日本のアニメ市場規模は43.6億ドル(2002年)で、これは日本からの鉄鋼製品の3.2倍だという。とくにポケモンのゲームソフトは37タイトル、世界で1億4000万本が販売されていた。テレビ、映画、カードその他の商品展開で9年間では、国内1兆円、海外2兆円に達していた。ポケモンの海外市場はなんと食品業界の海外への輸出額(2兆円)と同じ規模に相当していたのだ。
この「ポケットモンスター」は世界67カ国と2地域、また「クレヨンしんちゃん」は世界46カ国で放映されているという。とくに中国では知名度、人気度では「クレヨンしんちゃん」が第一位となっていた。このマンガは日本でも世界でも“下品だ”と評されながらも子どもや大衆を虜にしていってしまう・・・(恐るべし、しんちゃんパワーかな)
私たちの知らないところで、ソフトパワーとしてのポップカルチャーはますます世界を駆け巡りそうだ。それが今後の日本を支えてくれるのか・・・な。