ホームタウン・ディシジョンの許容範囲を超えている。

産経新聞」2006.8.6付けより。
もうこれだけで、多くの人は何のことかピンときているに違いない。先日行われた、WBA世界ライトフライ級王座決定戦(亀田興毅ファン・ランダエタ戦)のことだ。誰が見てもおかしな判定結果だった。
上記のフレーズは、「断」というコラムでスポーツジャーナリストの二宮清純氏が述べていたこと。彼はこれ程までの“疑惑の判定”は見たことがない、とまで述べている。ほとんどの視聴者、観客は同じ意見だろう。
この試合の直後からヤフーではどちらの判定勝ちか、というアンケートがウェブ上で行われていた。私も1票投じた。数十万票のうち、亀田が勝ちと入れたのはわずか4%だった。逆にそれでも、そんなにあったのかとも思えるほど。
テレビのインタビューではガッツ石松は「多くの一般のファンの方々の見た判断の通りです。・・・どう見ても亀田の勝ちはない」と断言していた。
もし、ホームタウン・ディシジョン(地元有利な判定)があるとすれば、どちらが勝ってもおかしくないような場合だけに限られるだろう。私がもっとも違和感を覚えたのは、結果もさることながら、TBSテレビのカメラワークだった。
試合のインターバル(合間)で流していたVTRでは亀田が攻撃しているシーンばかりだったのだ。さらに、試合直後は亀田サイドの画面ばかり映していた。実はもっと見たかったのは、勝利を確信したランダエタの様子だったのだ。同じリングにいながらまるで、相手ボクサーを映すのを避けているようにしか思えなかった。
しかも、判定結果が出た後にも亀田の様子ばかりでランダエタの姿を最後まで捉えることがなかった。実に不自然なテレビ中継だったな・・・