バットもスパイクも、こと道具に関しては誰よりも素晴らしい道具を使

「月刊現代」2006年6月号より。
料理評論家の山本益博氏との対談のなかで、イチロー選手が述べていること。この素晴らしいとは決して自慢ではない。むしろ作ってくれた人への感謝と尊敬の気持ちが表れていると思える。
それは、その前の部分で次のように言っていることからもうかがえる。“ゴールドグラブ賞というのは、僕だけのためじゃなくて、関わったすべての人のためにも取らなくてはならないものなんですよ。”
たとえば、グラブは5個作ってもらっても、使えるものは2個だという。あとの3つは名人のものでさえゲームでは使えないという。かなり道具にはこだわっており、職人に難しいリクエストをしているらしい。
グラブなら、軽くて、よく開いて、軟らかくて、だけど強いものを希望している。名人はそんな要求にもこたえてくれるという。
そんな素晴らしい道具だからこそ使いこなせなくてならないのだ。つまり、どういうものが自分にあって、どういう道具を持てば最高のパフォーマンスができるかということを自分が知っていなければならない。
バットにしても、19歳の一年目のシーズンオフに運命的な出会いがあって今でも同じ型を使っているという。一流のプレーヤーだからこそ、道具にもものすごいこだわりがあるんだろう・・・な。