絵でいえば、選手のプレーがキャンバスに描かれた作品で、審判員は額

「野球と日本人」池井優著より。
これは一年以上前に書いた日記のなかにあったワンフレーズだったが、ふと思い出して取り出してみた。もともと野球の審判について書かれたものだったが、これはサッカーでもその他のスポーツでも通用しそうだ。
フィールドでは選手は主役で審判は常に黒子ではあるが、審判が宣言しなければゲームは進行できない。舞台だったら裏方がいるからこそすばらしい芝居ができる、ということに似ているか。
それにしては、野球の審判の場合はよく、何年分かの寿命が縮むなどといわれる。それは、微妙な判定でも常に自信をもって下さなければならないからだろう。ストライクとボール、アウトとセーフだけの判定だけでなく、投球動作、打者の動き、ランナーの動き、さらにはスタンドの観衆の動きまでも目に入れておかねばならない。
もちろんルールはグラウンドの誰よりも熟知していなければならない。自信を持って下した判定にもしばしば、どちらかのチームからはクレームがついたりもする。審判は会社でいえば上と下の板ばさみになった中間管理職の立場に似て苦労が絶えない職業ではないだろうか。
誰もが常に納得できるっていうのは、かなり難しいことのようだ・・・な。