手間ひまかけて自分で作った、という物語が野菜をおいしくさせる。

「男のガーデニング柳生真吾著より。
自分で家庭菜園などで、野菜を作ってみるのはけっこう楽しいことだ。そこには筆者の言うようにささやかな物語があったりもする。狭いながらも土を耕し種をまき肥料をやり日々苗が育っていく様子を見るのも楽しい。(ベランダでプランターでも試せるだろう)
そしてようやく収穫できたときの喜びは育てた経験があれば容易に分かるはず。と同時に、プロの農家が作っているものほどうまく行かないことも実感するもの。大きさが不ぞろいで形が整ってなかったり、色が八百屋に並んでいるものほど鮮やかでなかったり、思ったより穫れる数が少なかったり・・・
かつて、庭でナスを作ったことがあるが、苗の勢いもそれほどよくはなく、数量も大きさも満足できるものではなかった。ところが、地元の農家の畑で作られているものを見ると、葉の勢いもよくどれも大きく揃って、ぴかぴかに光っていたのだ。とても、プロにはかなうはずがない。
しかも、自分で作ったものは3ヶ月もかかってようやく収穫できても、スーパーでは数十円だったり。でも、収穫の喜びはそんなものも超越して味わい深い。それは新鮮さと同時に自分で作ったという満足感があるからではないだろうか。
野菜にしても果樹にしても、さらには料理にしてもやはり手作りのものにはそれなりの味わいがあるようだ。(ただ買っただけものには物語がないか・・・)