モノより「思い出」型の贈り物が増えている。

朝日新聞朝刊」2006.5.13付けより。
生活面を眺めていたら、明日の「母の日」を前にした記事の中にあったフレーズ。またその中には「いるのが当たり前で忘れてしまいがちな母への感謝の気持ち・・・」という部分もちょっと気になった。
これは母だけでもないかもしれない。身近にあるものすべてに通じることだろう。両親、兄弟、姉妹、空気、水、安全、健康・・・どれも失われた時に痛感するものばかり。
さて、タイトルのフレーズだがこれはモノがあふれてきたからこそのことだろう。でも、結局はその「思い出」には商売が絡んでいることがうかがえる。
一例として、記事にはプランタン銀座が行う「母娘のセレブデートプラン」(一組52500円)が紹介されていた。その主な内容は“プロのヘアメーク、スタジオでの撮影、夕食、リムジン送迎つき”というようなものだった。
モノにても「思い出」にしてもお金を余計に使ったからと言って、より喜ばれるとは思えない。うまく「思い出」商戦にノセられてしまうというのも納得できない。
かつて子供が幼いころ、誕生日に手作りの「肩たたき券」をくれたときは嬉しかったもの。そんな思い出は貴重かもしれない。まだ使い残したあの「肩たたき券」はどこへ行ってしまったのだろうか・・・