「五感の故郷」を育てる経験を、たくさん積み重ねておくこと。

「五感生活術」山下柚実著より。
まず、この著者の名前からして興味深い。柚の実とあることから、香りのいい柚を連想してしまう。実際はゆみと読むようだが。それはそうと、今夜バスに乗ったところ隣に座った男の強烈なタバコの匂いが気になった。かなりのヘビースモーカーらしかった。(幸い窓が開いていたので助かったが。)
筆者は、「匂いを嗅ぐ、ということは、記憶の引き出しをたくさん作ることでもある。」とも表現していた。確かにある匂いを嗅いだとたんに忘れていた昔を思い出すこともある。それは、鉛筆の削りカスの木の匂いだったり、墨の匂いだったり・・・。子供のころの匂いの記憶は何年たっても忘れることがない。
誰にでも懐かしい匂いというものがありそうだ。そんな匂いの経験が多いほど、ある意味人生を豊かに彩ってくれるとも考えられる。
これを書いているうちに、自宅の庭には数種類のハーブ類があることに気づいた。ラベンダー、ミント類、レモンバームカモミールローズマリーなど。どれも独特のいい匂いがする。別に丁寧に育てているわけでもないが、季節になると新芽を出してくれる。とくにローズマリーは葉に触れただけでもその匂いが手にうつってしまうほど。
また、山椒の葉もすでに色が濃くなっていた。本来なら、それらを料理にでも使えばいいものを、別に利用するわけでもない。時おり指でつまんでは匂いを嗅いでいる程度だ。ただなんとなくそんな植物の匂いを嗅ぐだけでもほっとした気分にはなれるもの。(フレーズとはちょっとずれてしまったかな)