観光客だらけのリゾート地より、各駅停車の小さな旅・・・

週刊文春」2006.5月4日、11日号より。
映画監督の森田芳光氏による“ゴールデンウィークの小さな旅”という記事の中にあったフレーズ。ゴールデンウィークだからと言って、すべての人がその恩恵を受けられるわけではない。この時期こそ忙しい人もいるだろう。またサービス業に従事している人たちにとっては通常の営業日でもある。さらに年中無休をかかげている業種も多い。
学生なら、春、夏、冬休みのほうが長くたっぷりと休める。また第一線をリタイアした人にとってもあまり意味がない連休かもしれない。だからゴールデンではなくシルバー、ブルー、グレーのウィークを過ごす人たちも多いことだろう。
ゴールデンウィークだからといって、行楽地に家族サービスを強いられるのが辛いという人もいるに違いない。子どもたちが幼いころはどうしてもそうならざるを得ない。家族もちは、家庭円満のためには、一人旅に出かけるほどの勇気もない。我慢しなければならないことも多いはず。まあ、何らかの形で家庭平和維持活動に従事しなければならないのだろう・・・な。(それもまた幸福の一形態でもあるかもしれないが)

さて、話しはもどって、森田氏はゴールデンウィークに“いつもの沿線全駅制覇の旅”というのを行っているという。いつも利用している電車の路線のすべての駅に降りて散策するというものだ。出口も複数あれば、風景も異なる。
彼は街歩きによって頭の中のフォトアルバムを増やしているという。これは仕事の上でも役に立っているらしい。実際駅の名前だけは知ってはいてもその街についてはほとんど知らないことだらけだろう。
わざわざ遠くのリゾート地に出かけなくても、意外に身近なところに新しい発見があるかもしれない。たまには、知っていそうで知らないことを確認してみるかな。これなら、連休に限らず普段から心がければ新鮮な刺激が受けられそう・・・だな。