「趣味力」

「趣味力」秋元康著より。
まさにこれは本のタイトルそのまま。しかし、なぜかちょっと気になった。筆者の秋元氏にとっては趣味は仕事だったという。つまり趣味=仕事だったらしい。だから、どんなに忙しくても苦労とは思っていないという。ある意味それはうらやましいことだ。
しかし実際そんな人は稀だろう。ところが、40代に入ってからそれ以外にも趣味を持とうと思ってはじめたのが陶芸だったのだ。40代半ばからの彼はいまそれに夢中のようだ。
さて、趣味の力っていったいなんだろう?この本の目次にも本文にも明確には書いてない。しかし、それは意外に身近でありふれたものであることが読み終わって感じたことだ。つまりそれは、本来の仕事以外で好きなことをしてその中に価値観を感じることのようだ。
一例として気分転換をはかる(リフレッシュ)、ストレスを解消するなども入りそうだ。さらに積極的な意味では上達のプロセスを楽しむというのもあるだろう。テニス、ゴルフ、囲碁、将棋、絵画、楽器・・・・それらは練習すればそれなりに上達もする。すると楽しみもより増していくものだ。自分にもここまでできたという達成感を味わえると楽しいもの。誰でもそんな経験はあるだろう。
よく趣味と実益を兼ねて、などという言葉があるが実益でも金銭が入ってきたら純粋な趣味とはいえるかどうか。ギャンブルは初心者でもラッキーな場合は勝てるかもしれない。でも、趣味といっていいのかどうか。
また、単に趣味の欄に読書とか音楽鑑賞と書いてあるのもちょっと考えてみれば加減な感じもする。それは誰でもが日常ですることだからだ。せめて、読書なら歴史小説推理小説など、音楽ならクラッシク、ジャズ、ロックなどにジャンルを限るべきだろうな。さらに、好きな作家やアーティストがすぐに出てくれば本物の趣味ともいえそうだ。
中には大して仕事もできないくせに趣味なんて、という人もいるかもしれない。まあ、仕事もそこそこ充実して、同時に趣味も楽しめれば、彩りのある人生を過ごしていると言ってもいいのではないだろうか。贅沢かもしれないが。
「趣味力」とはいってもあまり力まないことが大切そうだな。すでに何かの趣味に打ち込んでいる人であればもうその「力」はついているに違いない。せいぜい趣味を持つことで毎日の生活が充実したものになれば幸い・・・かも。