人生はいつ、どこにチャンスが転がっているか分からない。

「メジャー監督」古内義明著より。
よく雑誌などを読むとヤンキースで活躍する松井(秀)選手はトーリ監督のことを尊敬していることがわかる。そのトーリ監督自身が感じたことが上記のフレーズでもある。今でこそ名将監督の仲間入りをしているもののそれ以前は誰もそう思ってはいなかった。
彼はヤンキースの監督になる前は自分がプレイした古巣の球団3チーム(メッツ、カージナルスブレーブス)で監督を務めていた。しかし、55歳までに3回クビを言い渡されてきていたのだ。プレイオフ出場は1回だけ。監督としての勝率は5割を割っていた。
そこへ名門ヤンキースの監督として迎えられたのだ。その結果9年ぶりに世界一をもたらしている。彼の成功の三大要素は「公平」「敬意」「信頼」というものだ。たとえ、それまでほかの球団で勝てなくても、ヤンキーススタインブレナー・オーナーは彼の指導方法を見ていたからこそ、監督としてスカウトしたのだろう。
昨年まで最優秀監督賞2回受賞、9度の地区優勝、6度のリーグ優勝、4度のワールドチャンピオンを獲得している。今年で監督就任11年目となる。これほど、長期政権はそれなりにすばらしい結果を出しているからこそだろう。
なかでも選手に対する「敬意」が最重要と考えているようだ。かつて松井がスランプに陥っているときも、自尊心を傷つけないような配慮をしながらアドバイスしている。それでこそ選手は耳を傾けるのかもしれない。やはり強いチームには監督と選手との信頼関係がうかがえる。
蛇足ながら、昨年松井は日本人選手として4年総額62億円という大型契約を勝ち取っている。その際もトーリ監督は「世界中の金をかき集めてもマツイを獲得すべきだ」と高い評価をしている。
選手と監督の歯車がよく合っているな〜