完璧な笑いなんて不可能。でも、それに近づこうと頑張るから続くんだ

「TOKYO HEADLINE」2006.3.20号より。
インタビューのなかで、こう語っているのは志村けんだった。彼の追求するお笑いは今のお笑いブームとは一線を画しているようだ。むしろ、息の長い独自のお笑いを目指しているようにも思える。
たとえば、バカ殿様といえばすぐに志村を思い浮かべてしまう。それはきっちりとした独自のスタイルを確立したとも言ってもいいだろう。○○といえば、誰々とすぐに思い浮かべられるようなお笑い芸人はそう多くはないはず。
今流行りのお笑い芸人は多いが、10年、20年先にも残っているメンバーはごく一部だろう。本当にお笑いで成功した人は、その後も役者として一流になった人も多そうだ。古くはクレージーキャッツのメンバーはそれぞれ、テレビ、映画のなかでシリアスなドラマでも活躍してきた。
志村けんの所属しているザ・ドリフターズのリーダーだったいかりや長介もシリアスな役者としても一流だった。また、バラエティでも活躍している伊東四郎もお笑いから役者に転じて成功している。もちろん、ビートたけしやさんまの多才さは言うまでもない。
話しはずれてしまった。志村けんは4月から「志村けん一座」の旗揚げ公演を開始する。その演出・脚本はラサール石井が担当するというから、もうそれだけで成功が期待できそうだ。
志村魂」というその公演名は石井の命名によるものだが、志村は気に入っているらしい。これは、今まで息の長い笑いをコツコツと続けてきたプライドがあったからこそ似合うのかもそれない。
やはり、一発芸的なギャグだけでは長続きする笑いは不可能だろう。志村がめざすのは子どもから年配者までが幅広く楽しめるお笑いのようだ。「志村魂」は、やはり職人魂といってもよさそう・・・かな。