俳優の演技力以前の外国語力や体力にプロ根性を感じる。

ふだんそれほど映画を観る習慣がないにもかかわらず、たまたま先月から今月にかけて観た3本の映画では出演者の外国語力と体力に驚かされた。本当の映画ファンなら、そんなこと当たり前だ、と思うようなことも私にはすごいことだと思えたのだ。(ここでは映画の内容や感想には触れないでおきます)
SAYURI」は芸者の世界をアメリカ人の目から見て描いたものだった。舞台は日本だがアメリカ映画で言葉は全編英語だった。固有名詞以外はほとんど字幕を見ていた。出演者は韓国人女優、中国人女優、日本人の渡辺謙をはじめ英語を母国語としない俳優だが、ほとんどが流暢なのには驚かされた。東洋人は着物を着ても違和感がないものだ。
「プロミス」(無極)では古い時代の中国映画のため言葉はすべて中国語だけだった。主役の真田広之チャン・ドンゴンとも中国語がとてつもなく上手くびっくり。しかも、ドンゴンは映画の中では役の設定上、全速力で走る場面も多かった。役者はイケメン以前に体力の勝負だとも感じたもの。
力道山」は日韓合作の映画だが話される言葉は日本語。しかし主役は韓国人俳優のソル・ギョングでこの役に挑戦するため日本語を特訓したのだ。かなり自然な日本語であった。感心したのはそれ以上に、役のために体重を30キロ近く増やし、身体を鍛えあげたことだった。スタントマンを使わないプロレスの危険な大技もこなしていた。撮影中何度もケガをしたらしい。引き締まった身体は本物のレスラーのようにも見える。
一流の俳優なら演技は上手いのは当然だろう。さらに語学や体力面で国を超えて活躍する俳優のプロ根性、底力を感じた次第。