本当にいい映画は観客に問いを投げかけるもの。

AERA(2006.3.6号)より。
昨日、アカデミー賞の発表があった。これはその主要3部門、作品賞、脚本賞編集賞を受賞した『クラッシュ』の監督ポール・ハギスが(賞の発表より前に)言っている言葉だ。彼の初監督作品だった。(すでに日本でも公開されてはいるが私はまだ観ていない。)
この言葉は次の言葉のあとに続いていた。「いい映画だったと片付けられてしまう映画は僕にとっては失敗作。・・・」
私などは映画を観終わったあと、たんに感動したかしなかったとか面白かったか退屈だったとかと思うだけのことが多い。また映画の作品とは関係ないことで感心してしまうことさえある。
たとえば、先週観た中国映画『プロミス』では真田広之チャン・ドンゴンがなんであんなに上手く中国語を話せるんだろう、なんて考えてしまったのだ。
ハギスの“観客に問いを投げかける”、とはかなり強い言葉でもある。ハギスはこの作品の脚本も担当している。しかも、昨年アカデミー賞を受賞した「ミリオンダラーベイビー」の脚本も書いていたというから、ちょっと驚きだ。
問いを投げかけるには、それなりの問題作だともいえそうだ。そういえば、昨年アメリカでは公開されてから半年たっても話題になっていたらしい。だからこその作品賞なのか。私の地元のシネコンでは公開してなかったな・・・