チワワみたいな目をした学生の目が狼の目に変わる瞬間・・・

「PRESIDENT」2006.2.13号より。
“何ごとにもクールな部下”に対してどうしたらその心の目を覚まさせるか、ということについて小宮山宏氏(東大総長)が書いている部分にあったフレーズ。
ここでは部下とはなっているが学生にもあてはまる。成績優秀な学生のなかには学問をなめているものもいるという。そんな彼らには脅かしの言葉も必要らしい。それがときには気づきのきっかけにもなるのだ。
たとえば小宮山氏は講義で「君たち、水は100度で沸騰すると思っているだろう。そんなのは嘘だ」ということもあるという。すると、つまらなそうな顔をしていた学生も、一瞬驚いたような顔をするらしい。
「この人は自分の知らない世界を知っている」「自分が持っていいない視点を持っている」そんなふうに思えば、一見クールな若者も、好奇心に火がついて熱くなるという。彼らの心に火を点けるためには自分自身も仕事に熱意をもって取り組んでいなければ話にならない。
チワワみたいな目とは、ただ単に潤んだ目という意味ではないだろう。与えられたエサだけを食べて比較的いい環境の中で飼われている犬であることが想像できる。それに引きかえ、野生に生きる狼は生きるために自ら獲物を捕らえなければならない。苦労は多いことだろう。当然眼光は違ってくるはず。
ものを学ぶ際、仕事をするときにもこの狼の目を持たなければ身につかないのだ。単に知識だけ蓄えるより、それらの知識を関連付けて本質を見抜く力を養わなければ意味がない。
小宮山氏はチワワみたいな目が狼の目にかわる瞬間を何度も目にしてきたそうだ。結局は“ちょっとしたきっかけをどう与えるか、またつかむか”がポイントかな・・・