細かい気遣いが、勝負に向けた気力の充実にもつながってくる。

「勝負脳を鍛える」谷川浩司古田敦也著より。
たとえば谷川浩司の場合、当然ながら遅刻しないとか、大切な対局の時には必ず和服を持参するなど細かいところにも気を遣っているという。(将棋では対局に遅刻すると三倍の時間が持ち時間から引かれてしまう。5分遅刻すると15分のマイナスだ。)これは勝負師としての心構えだろうか。
また、気力の充実のために社会性を身につけることもあげている。それは、かつて谷川が阪神・淡路大震災で被災した経験が大きい。そのとき「将棋の棋士であることが社会にとってどんな意味があるだろう、ということをつくづく考えさせられた」と振り返っている。それ以後、「少しでも社会に役立とう」という気持ちでチャリティなどにも積極的に参加するようになったらしい。
つまり、自分のためだけでなく、社会のために頑張ろうという気持ちをもつことが、勝負に向かう自分を励ましてくれているという。実際将棋界でもトップに立っている人は社会的にも人間的にも尊敬できる人だと谷川は言っている。いっときだけ勝つだけでは本物のプロとはいえないか。
こんなことは将棋の世界に限らず、仕事へ向かう際の心構えでもありそうだ。例えば服装でもべつに特別オシャレである必要はなく、身だしなみさえきっっちりしていれば、人に合う際にも気後れすることはないはず。約束の時刻に余裕をもって到着することなど。
もしそんな細かい気遣いができれば、それだけでも心のスキはかなり防げそうだ。(実は私にはそう簡単ではなさそうだが・・・)