肩書きと内容は必ずしも一致しない。

「名画読本」赤瀬川原平著より。
この場合の肩書きとは「名画」のことだ。筆者は「名画」だからというだけで、作品をみているなら、それは肩書だけ見て感心しているようなものだ、と指摘している。この名画は映画ととっても差し支えないだろう。
ここでのポイントは肩書きだ。一般的にも人につけられた肩書きだって、その人の内容とは一致してないことも多い。仕事上の付き合いの場合は会社や組織での肩書きに目がいってしまうもの。また、資格で仕事をしている人も単純にそれで判断してしまうこともある。(最近では社長、税理士、一級建築士なども絡んだ事件も思い出してしまう。)
肩書きがいくら立派でもその人間性が優れているかどうかはまた別問題だ。たまたま仕事に係わり合いがあるから通用しているだけかもしれない。係わり合いがなければただの知らないよそのオヤジにすぎない。結局裸の付き合いをしてみなければ、どんな人かは伝わってこないもの。
絵を見る場合も、あまり肩書きという先入観にとらわれず、長い年月を生き抜いてきた作品をたくさん眺めるのがいいのかもしれない。赤瀬川氏はどんな絵の見方がいいか、一つのヒントを与えてくれた。
それは、「自分の身銭を切って買うつもりで見るのがいちばん」ということのようだ。身銭を切るならきっと真剣にみるだろう・・・な。