人間は数字で健康、不健康の先回りや近道をしている。

「人間は脳で食べている」伏木亨著より。
まさにこれは健康診断のたびに不安を覚える自分にあてはまっている。自覚症状がまったく無ければ、自分の身体が不健康だとは思いたくないもの。たまに、多少の違和感があったところで、歳だからしょうがないかと半ばあきらめている。
しかし、健康診断の結果が他人の平均値や標準より、多かったり少なかったりで不安になる。そして、生活改善をしなければと思ったりしている。数値によっては具体的な生活改善が病気の予防になっているのだろう。
残念だが、数値情報によって大病を未然に防ぐためにはその不健康感を味わうしかないのだろうか。気にすればきりがない。そこで、手っ取り早いものとして、身近にあるのが薬品ではなく健康食品だ。
もう随分前からこのブームは続いている。さらにそれをあおるように、似たような健康関連雑誌も発行されている。また、昼のテレビ番組、例えばみのもんんたの「おもいッきりテレビ」で○○が身体にいいとなれば、スーパーの棚や八百屋からそれは一気に売れはじめて品薄になる。
一方、食品メーカーは販促の一つとしてトクホ(特定保健用食品)の認定を受けようと競っているのが現状だ。“トクホ”はよく効くキャッチコピーでもある。
いずれにしても、多くの人が健康への近道をしようとしている。(自分もそうだが。)いつも頭の片隅ではおいしくて、しかも健康にいいものは何かと探しているようだ。
何も気にせず好きなものを好きなだけ食べられることは最高の幸せだろう・・・と思うのはやはり歳のせいかな。