お互いに高めあう「張りのある関係」が、クリエイティブな友情の関係

スラムダンクな友情論」斉藤孝著より。
この“クリエイティブな友情”という部分がとくに新鮮な感じがする。それはいったいどんなものだろうか。筆者によれば、友達と話しているときなど自分ひとりでは思いつかなかったようなヒントを得られるようなことを指しているようだ。
要するにそれは異なる物質が化学変化を起こしてまったく新しいもが生まれるような感覚ではないだろうか。1+1→2+αとなるようなことでもありそうだ。その+αの部分がクリエイティブな部分ではないだろうか。付加価値とも考えられるが。
スポーツのチームだったら1人ではできない動作が可能になったり、バンド仲間ならいままで考えなかった音やメロディーに出会える瞬間があるはず。そんなときにはクリエイティブな感覚を感じるのではないだろうか。
もし、お互いがすでに持っている情報だけをやりとりするだけなら「ギブ・アンド・テイク」の付き合いにすぎないと筆者はいう。そこからは“新しい何か”は生まれてはこないもの。したがって、たんに和気あいあいの仲良し友達だけであれば、それはクリエイティブな友情とは言えないだろう。
もし、新しい技を身につけようとするなら、どうしても張りのある関係を持たねばならないのだ。筆者は、たとえ会っているときに何も新しい何かが生まれなくても、会って別れたあとに、不思議にやる気が湧いていることもあるならそれもクリエイティブな友情だとも述べている。
この本は本来は若者向けに書かれたものだが、私のようなおじさんが読んでも結構得るところは多そうだなと思った次第。