エジソンにかぎらず、近代の発明の少なからぬものが、さまざまなアイ

「日用品の分化誌」柏木博著より。
この本の“電球の出現”という箇所にあったフレーズ。誰もがエジソンは発明王だということは疑わないだろう。しかし、エジソンはすべて無から有を生じさせたというわけでもなかった。その箇所を簡単にまとめると次のようになる。
例えば、電球についてもそうだった。エジソンによって白熱電球が発明されたのは、1879年だったといわれる。しかし、実際はそれより1年も早くイギリスのジョセフ・スワンが白熱電球の特許をとっていた。
また、1800年にはハンフリー・デーヴィ(英)はアーク灯の実験を行っている。1841年には発明家のフレデリック・ディ・モーレン(英)は導線を真空状態の中に入れておくと燃えないという実験をしている。つまり、この現象もエジソンがはじめて発見したことではなかったのだ。
ということで、エジソンはそれまでのアイデアを編集する才能があったともいえる。エジソンと電球のエピソードで有名なのは灯心にあたる発光部(フィラメント)に京都の竹を使ったことだ。だからといってすべてをエジソン個人が作ったわけではなかった。
発明品思われるものも実際は、それまでの既製のアイデアを編集することで出来上がっていることが多い。エラそうなことを言っても、その考えはどこかで聞いたことがあるようだ、なんていわれるかも知れない。まあ、私自身も人が言ったり書いたりしたことを、あーでもない、こーでもないと言っているだけに過ぎないか・・・