笑いは基本的に“肯定”のコミュニケーションだ。

「ホームクリエーションの時代」谷口正和著より。
新しい本ではなくてもそれが自分にとって新鮮であれば、得るところはあるものだ。この一冊もブックオフで買ったものだが示唆に富んでいる箇所がいくつもあった。
「笑門来福」、つまり笑う門には福来たるは新年にはふさわしい言葉だ。笑い飛ばすことで、何か新しい発想が浮かぶかもしれない。アメリカのサウスウェスト航空では顧客に笑いをサービスしている。
例えば機内放送で「お客様が私たちにしてほしいと思ったことは即座に忘れてください」とか「もし、ご不満があった場合は、きょうは別の会社の飛行機に乗ったと思い込んでください」などと言うらしい。
一見ばかばかしいと思えることも立派なサービスになっている。知恵ひとつで他社との差別化戦略もうまくいくものだ。私自身もこういうばかばかしいことが好きだから共感できる。
さて、笑いはマーケティングの面でもよく利用されている。お笑いブームも昨年からやや下火にはなったものの、まだテレビ各局はお笑いタレントに頼っている感じもする。いったんお笑い芸人としてデビューすれば、その後CMやバラエティにも引っ張り出される。さらに実力があれば、番組のレギュラー司会者にもなれるのだ。
たけし、タモリ、さんま、紳介、文珍志の輔などをみればよくわかる。また、ダウンタウンとんねるずウンナンなどの同級生お笑いコンビも長者番付ではつねにトップランクだ。こんなことからもテレビ、マスコミはお笑いだのみだと想像できる。
また、お笑いの総本山ともいわれる吉本興業の業績がいい、というのも笑いが世間に受け入れられている証拠だろう。筆者は“「笑い」は相互の関係を否定・対立から肯定・協調へと変える。肯定は最大の「気の合う」コミュニケーションなのである。”と述べている。
そうかもしれない、と思いながらテレビのスイッチを入れたら戌年のせいか年明けからお犬さまたちのテレビ出演が多そうだ。う〜む、わんダフルワールド!?・・・