社会現象をこんなひと言でくくると、時に本質が見えやすくなる。

朝日新聞土曜版2005.12.24付けより。
こんなひと言とは、たとえばニート、フリーター、オタクなどのことだった。無業の若者のことをさすニートもいちいち説明しようとすれば面倒だが、この言葉の登場で理解しやすくなっている。
たとえ、“Not in Education,Employment or Training” の頭文字をとったものと知らなくてもすでに今では定着した言葉となっている。はじめは英国から生まれた言葉らしいが、日本のほうが一般化していたのだ。
ある英国人記者は「それは、日本人の好きなラベリングですね」とまで言っている。ラベリングとは、名前をつけて分類することだ。つまり、先ほどのほかには新人類、三高、コギャル、ストーカー、負け犬、ヒルズ族、勝ち組、負け組、萌え・・・とたくさんある。
ずいぶん前からこんな分類がされてきたが、確かにこんなくくりは、ひと言で本質をつかみやすいものとなっている。日本人は手先ばかりでなく、こんなネーミングにも器用さを発揮しているのだろうか。
また、「日本人はなぜラベリングが好きなのか」、なんて考え出したらそれだけで論文のテーマになってしまいそうな気もする。ラベリングなどという言葉を知らなくても、グループ分けやクラス分けでも通じそうだ。
このようなことは本質をつかみやすいという点でまた、図を使わない図解のようにも思える・・・な。