「ウサギとカメ」の話しではないが、10年ほどの修行レースの勝者は

「職人暮らし」原田多加司著より。
多くの職人が指摘していることがある。それは、職人には小手先の器用さはあまり関係ないということだ。むしろ鈍感なくらいの子の方が叱られても叱られても辛抱強くついてくるという。そこで、タイトルのフレーズとなる。
とろこで、ウサギとカメのたとえで思い出したことがある。それはカリスマ英語講師といわれる安河内哲也氏は次のように言っている。「受験でもビジネスでも、現実社会ではカメはウサギに勝てない。・・・カメをウサギに変えるのが、われわれ指導者の役割だと思っている。」(PRESIDENT2005.12.19号参照)
確かに短期間に効率よく受験戦争に勝ち抜くためにはウサギになることがポイントかもしれない。しかし、一生の仕事となると別ではないだろうか。とくに職人の技の盛りは、体力や気力の充実した40〜50台だといわれる。
その道で名人といわれるような老職人でも、老いてからその技を身につけたわけではない。若い頃から中堅期にかけて充実した期間を過ごしたからこその結果なのだ。
関係ないかもしれないが、ウサギとカメで“長生き”という比較を想像した場合どうだろう。“鶴は千年、亀は万年”といわれることから、カメのほうが最終的にはウサギに勝つような気もするが・・・