弱者は敗者に非ず。強者は勝者に非ず。

月刊「現代」2005.12月号より。
スポーツライター二宮清純が次期楽天監督の野村氏にインタビューしていた中での言葉。
野村野球を一言で表現すれば上記のようなフレーズになる。いかにして、弱者を強者に変えるのか。70歳の監督の挑戦が始まろうとしている。興味深い。
彼はまた「このシステム(プレーオフ形式)でやるんだったら、何もリーグ1位を狙う必要はない」と言うが確かにそのとおりだ。もし、数年のうちに楽天が3位にでも浮上するようなことがあれば、それだけでもチャンスなのだ。
「まあ、キザかも知れませんが、弱者の戦略については、もうそればっかり考えてきましたよ。強いチームの監督をしたことありませんから。弱者は強者と同じことをやってもダメなんです。目に見えないプラスアルファをどうチームにもたらせるか」
その一つに彼が今まで実践してきたID野球があるのだろう。情報の収集、分析、活用、これら無形の力が加わってはじめて強者の胸を借りられるとまでいう。謙虚だ。
また、野村氏はスコアラーを大切にしていることでも知られる。自身の言葉で「私が行く先々で一番先に教育するのがスコアラーなんです。野球は確率のスポーツですから、セオリーをまずつくらなければならない」と言う。
そのためのデータが何よりも重要なのだ。ID野球の元祖は今も健在であることをうかがわせる。そのへんの、弱々しい若者とはまるで意気込みが違うな。