感受性と行動力。これこそビジネスマンに求められている条件。

THE21 2005 10月号より
神田昌典氏(経営コンサルタント)が五嶋みどりさんにインタビューしている。そのかなでのことば。
彼女は10代のころから天才ヴァイオリニストとして有名だ。しかも今では演奏家のほかにもいくつもの団体を立ち上げて、自ら地域に出向いて子供たちに音楽教育や啓蒙活動をしている。
この姿はまるで複数のプロジェクトを立ち上げる意欲的な若手起業家のようでもある。子供たちに演奏中のヴァイオリンを触らせたりもしている。そうすることで、実際に体で音を体感してもらうようにしているという。
つまり、たんに音楽を聴かせるだけでなく、質問をうけたり楽器に触れさせて子供たちにコンサートに参加してもらうことを目的としている。今まででは考えられないような工夫をしているのだ。
とくにクラッシックの場合は送り手と受けての分離が起きているが、これはビジネスの世界でも同じようなものだ。作り手と買い手の間にはコミュニケーションは確かにない。しかし今後は五嶋さんが活動しているような、音楽の世界にある“感性と行動力”そこがビジネスにも通じるヒントにもなりそうだ、と神田氏はインタビューで感じている。
コンビにでもスーパーでもほとんど無言でも用を足すことはできる。それはそれで便利なことでもあるが、一方ではもっと人間味のある交流を求める人がいることも確かだろう。
五嶋さんの音楽を通じた活動とビジネスに意外な関連性があるものだと思った次第。