物事をなめてかかることから生まれるパワーもある。

「座右の諭吉」より
福澤は、考えても仕方のないことは一切考えない、という主義だったようだ。あれこれと、らちのあかないことで悩んだことは生涯なかったらしい。悩んだりして生きるエネルギーを漏電することはなかったのだ。こんなことは凡人には無理なことのようにも思える。
中には、悩んでいるうちに一日のエネルギーをほとんど使い果たしてしまうこともあるかもしれない。考えてみればバカバカしいことだ。
また、彼は物事をなめてかかることでパワーに変えていたらしい。この“なめてかかる”ことは、無謀とはイコールではない。なめきっているようでも、きちんと傾向を把握し、対策をたてて臨んでいる。大胆な精神と繊細な段取りこそが福澤にとって勝つためのノウハウだったようだ。
「そんなことは、どうってことない」と思えて実行できたということは、それなりの裏づけはちゃんとあったに違いない。自信を持って、思い切ってやってみようという心構えがあれば、それはパワーにもなる・・・か。でも、今の自分にとってなめてかかれるほどのものってあるだろうか・・・