「進学校の部活」でも全米制覇できるんです。

「VS.」(月刊バーサス9月号)より
この号の特集は“名将には秘密がある”というものだった。そのなかには王監督やバレンタイン監督について掲載されているが、一般には知られてはいない伊藤早苗さんという人も取材されていた。
それはチアダンスの本場アメリカに2年連続で挑戦し、公立高校ながら優勝を含む好成績を残したからにほかならない。このスポーツ雑誌は娘が買ってきたもので、それはダンスドリル部に所属する本人の写真もそこに掲載されているからだった。
一般に高校でチームまたは個人が抜群の成績を修めるためには中学時代に優秀な生徒をスカウトする、しかも私立高校であること、また多くの部員から一部のレギュラーを選抜して鍛えるなどが想像できる。しかし、この県央のA高校はそのどれにも当てはならない。
もともと県下トップクラスの進学校だから、基本的には入学するだけでも容易ではない。しかもその競技(ダンスドリル)は全員が高校に入ってから初めて経験する種目だった。二年間で全国トップレベルまでに育てるにはどんな秘策があるのかは興味深い。過去全く前例のないアメリカでの大会に出場するというのも異例なことだ。
ひとつの鍵は補欠を作らず全員がレギュラーとして活躍できるように指導してることもふくまれるらしい。この伊藤顧問は実際の技術的な指導はせず、ほとんどそれはコーチやOG、先輩に任せているらしい。また、生徒たち自身によるお互いの指摘にも頼っているという。
もっとも大きいモチベーションは自分のためというものかもしれないな。