本というのは、出版された時が“旬”じゃないんだ。

「モノの値打ち 男の値打ち」より

例えば、ある一冊の本を読むということを考えると、20年の隔たりが感動の質を変え、より深いものにしていくという。
いい本なら、年齢が進むにつれて新たな発見が出来る奥行きがあるものだ。人生経験によって受け取り方、つまり理解がより深まってくるからだろう。
本の“旬”とは、本当に読みたいと思った時だというが、出会った時のタイミングもその“旬”を左右しそうだ。新聞や週刊誌なら内容の鮮度や正確さこそが命だともいえるかもしれない。しかし、一般的な本では鮮度はそれほど重要ではないだろう。
また、単にそのときベストセラーのような話題の本だから読むということでは、「もう読んだよ」というための読書に過ぎない。ちょうどそれは、旅行とも似ている。「もうそこには行ったよ」というのと全く同じことだ。
読書、つまり活字の旅をすることで、自分を豊かに出来たと実感できればしめたもの。だから、出版された時はそれほど重要ではないのだ。実際いま書いていることの参考になったこの本は4年前の古本でしたね。ブックオフの100円コーナーで買ったものですから。